忍者ブログ

らいふゆめ☆おんらいん

★同人ブログ★です!BL等意味の解らない方、 同人がお嫌いな方は閲覧ご遠慮ください!

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

宇宙(ソラ)ノムコウ:3

「…すまない」

小さく。刹那の声が響く。
 
 
 
彼の胸ぐらから、その手はとうに離れていた。
何も言わずそっと抱き寄せられた。

アレルヤも傍らで静かに見守っている。
皆、同じ気持ちだった。

皆、彼のことが-

「…っ…うっ…」

悔しいからじゃない。
ただ、ただ溢れる気持ちを抑えることができなかった。


***

「? 何をしてるんだ」

「手紙。ロックオンに…」

彼に手紙を書いたのだ。とフェルトは言う。

「…手紙」

そう呟いて、ティエリアは静かにコクピットに目をやる。

「ティエリアも、書く…の?」
「私は…」

そうだな。と、何故か笑みがこぼれた。

「…!」

一瞬、不思議そうな顔をしたフェルトだったが、
そう。と安心したように微笑み返した。

不思議な光景だった。
そういえば、彼女とこうして面と向かったこともなかった。

“彼”が引き合わせてくれたか。彼女も自分も何かが変わったのだろう。

この終極に、ひとときの-

「…それじゃ」

小さく彼女らしい会釈をして、持ち場へと帰って行く。
行く姿をしばらく見送り、ティエリアはもう一度。
静かにコクピットを見つめるのだった。


***



…静かだ。



…何も聞こえない。



…終わったのか?



「コレ・デ・アナタ・ノ・モト・ヘ…」

自分の“役目”は終わった。


今は静かに。

ただ、静かに体を休めたい…


ふと、目をやった。


その先には…

“彼”の愛した『青い星』が煌々と輝きを放っているのだった。



---
*end*
PR