宇宙(ソラ)ノムコウ:3 webstory@00 2008年11月02日 「…すまない」小さく。刹那の声が響く。 彼の胸ぐらから、その手はとうに離れていた。何も言わずそっと抱き寄せられた。アレルヤも傍らで静かに見守っている。皆、同じ気持ちだった。皆、彼のことが-「…っ…うっ…」悔しいからじゃない。ただ、ただ溢れる気持ちを抑えることができなかった。***「? 何をしてるんだ」「手紙。ロックオンに…」彼に手紙を書いたのだ。とフェルトは言う。「…手紙」そう呟いて、ティエリアは静かにコクピットに目をやる。「ティエリアも、書く…の?」「私は…」そうだな。と、何故か笑みがこぼれた。「…!」一瞬、不思議そうな顔をしたフェルトだったが、そう。と安心したように微笑み返した。不思議な光景だった。そういえば、彼女とこうして面と向かったこともなかった。“彼”が引き合わせてくれたか。彼女も自分も何かが変わったのだろう。この終極に、ひとときの-「…それじゃ」小さく彼女らしい会釈をして、持ち場へと帰って行く。行く姿をしばらく見送り、ティエリアはもう一度。静かにコクピットを見つめるのだった。***…静かだ。…何も聞こえない。…終わったのか?「コレ・デ・アナタ・ノ・モト・ヘ…」自分の“役目”は終わった。今は静かに。ただ、静かに体を休めたい…ふと、目をやった。その先には…“彼”の愛した『青い星』が煌々と輝きを放っているのだった。---*end* PR